え〜、ご機嫌よろしゅうございます。相変わらずのお笑いでございます。「情けは人のためならず」ということわざがございます。人に情けをかけるなんというのは、神信心でもしようというような年頃にならないと起こりません。−−佃島の住吉様のお祭りに出かけたお店の旦那の次郎兵衛。しまい船に乗り込もうとすると、一人の女が引き留める。おかげで、しまい船に乗り遅れてしまう。女は三年前に吾妻橋身投げをしようとしたところを、次郎兵衛さんに五両をもらって助けてもらったとのこと。ご亭主が船頭なので、いつでもお送りするというので、女の家におじゃまになる。あたりが騒がしくなってくる。亭主が戻ってくる。仕舞い船がひっくり返り助かったものはいないとのこと。夫婦は次郎兵衛にお礼を言ってご馳走をして、船を出して送っていく。一方、お店では仕舞い船で次郎兵衛が亡くなったと大騒ぎ、長屋の月番の与太郎も悔やみに行くがうまくいかない。そうしているうちに、次郎兵衛が帰ってくる。皆驚くが、訳を聞いて、大笑いで帰って行く。この話を横で聞いていた与太郎、いいことをすれば助けられると思いこみ、家に帰って道具箱を打って五両の金を作り、身投げを探して歩くが出くわさない。永代橋にかかると涙をためた三十、二三のお上さんが欄干に上がって片手合掌で川の中を見ている。身投げと思って止めに入った与太郎。女は「冗談いっちゃいけませんよ。歯が痛いから、戸隠様に願をかけてんだ」「袂に石が入ってりゃ」「こりゃ、納める梨でございます」
マクラは信心、虫歯の神様の戸隠さまと梨について。立て板に水の威勢のいい語り。うんちくで溢れるマクラ、無駄ない筋立てと巧みな声による見事な人物描写。立派な口演でわかりやすいが、拙にとっては堅すぎる。
posted by momiji at 21:26|
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