2005年08月22日

弥次郎(入船亭扇橋)

ほら吹きの男が旦那の前で吹き始めた。北海道へ行っていたが、寒くて何でも凍る。挨拶、小便はもちろん火事まで凍る。ある時は武者修行に恐山に行ったが、山賊に取り囲まれたときは石をちぎって投げてやっつけ、大猪に襲われたときは竹の上に逃げて、その枝が折れた音を鉄砲の音と猪が勘違いして気絶した間に睾丸引っ張り殺して腹を割くと十六頭の子猪が出てきたと嘘ばっかり。さらには、猪をやっつけたことを村の人に感謝され、庄屋の娘に惚れられた。女房にしてくれと言われたので紀州の貧窮山困窮寺へ逃げ込み、水瓶の中に隠れていた。娘が後を追って日高川の渡し場まで来たが船が出ないので、怒って川へ飛び込み一尺ばかりの蛇になって川を渡り、寺まで来て水瓶んお周りを七巻き半巻いたが、水瓶にナメクジがべっとりついていたので、ヘビがとけてしまった。頃合いを見て水瓶から出た姿はいい男で見せたかった。「そん時も武者修行かい」「いえ、安珍という山伏で」「どおりで、ほらを吹きとおした」
マクラは嘘について。落ち着いた穏やかな語り口だ。やや一本調子に聞こえるが、枯れた芸で、聞き手を選ぶ。いつもながら、しっかりとおやりになって充実感がある。後進に受け継いでもらいたい。
posted by momiji at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 演芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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