2009年12月04日

天国の駅(日1984)

 理不尽な男の欲望に翻弄された女の物語。戦争で下半身麻痺となった夫、優しく言い寄る警察官、2人のために夫を殺害するも警察官はひものようになって女を苦しめる。居を移し温泉町で再婚し旅館の女将になるが、つきまとう元警官。病気の妻を殺害して再婚した新しい夫が欲望の対象としてしか扱ってくれない。絶望の気持ちで、ふとしたきっかけで夫を殺害してしまう。逃亡の末に逮捕され、絞首刑。天国へ行ったのか?
 2人の夫を殺害した女の行動に憎しみは感じない。殺された男たちには当然の罰で、女に同情してしまう。まさに悲の運命としか言いようがない。暗く重たい時の流れに支配され、開放感はない。死刑が執行されて自由になる感じがある。音楽は矢野誠、美しいがマーラーの交響曲第5番のアダージェットにそっくりの旋律だ。陰な映画でした。
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2009年12月03日

コープランド:交響曲第3番(フィオーレ=オランダrpo)

1.叙情的な弦の流れで始まり、陰な幻想性の暗めな楽章。2.比較的親しみやすく、現代的なテイストを有する様々に変化する曲想。後半部では軍隊を連想させる曲想が出現。3.透徹感のある美しい弦で陰で暗く悲しい曲想。やがて気分は上昇。破錠なくよくコントロールされた堅実でなかなか立派な演奏。オーソドックスで曲を誠実に再現している感じ。「市民のためのファンファーレ」のテーマが出現し、幻想的な無限遠の美しい自然を感じさせる雰囲気となる。あくのない誠実な清涼な盛り上がりを築く。暗から美への向性を持つ醤油顔の交響曲だ。豊かな音色を用いて流麗な弦に美しいアクセントをつけている。こんな美しい交響曲は珍しい。反面、交響詩のようにだらだら感が出たのはやむを得ない。部分的にはとても素晴らしい、それを切って聞きたい感じだ。堅実でいい演奏でした。(Radio4)
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2009年12月02日

開帳の雪隠(三遊亭圓生6)

 え〜、「江戸へ来て役者を頼む神仏」なんという川柳がございますが、ま、この〜、神様でも仏様でも人の力を借りませんと、繁盛しないってえなことを言ったんだそうでございますが、昔は開帳というものがいろいろございまして、出開帳といいましてね−−回向院のすぐそばの老夫婦が経営する一文菓子屋は、客は来ないが厠を借りに人がやってくる。そこで、一回八文で厠を貸す商売を始める。大勢の客が来るが、二日ほどして向かいに立派なはばかりができ、客を奪われる。ある日、お爺さんが朝早くお詣りに行くと言って出かけていく。その日は大勢の人がはばかりを借りに来て忙しくてんやわんや。お爺さんが帰ってきた、こんなに客が来るとは霊験あらたかなので、どこへお詣りへ行ったか聞くと、「べつにお詣りなんぞしやしねえ」「あら、いやだ。じゃお前さん、弁当を持って、どこ行ったの?」「フフフッ、向こうのはばかりで、一日しゃがんでいたんだ」
 マクラはご開帳について。軽い噺だが、この師匠にかかると、どんな筋なのだろうと聞き入ってしまう。それがこんなにも軽い下げが待つなんて、やられました。練達の話芸でした。
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2009年12月01日

弥次郎(三遊亭圓生6)

昔から、この、嘘をつくことはいけないとよく言われまして、「嘘をつくのは泥棒の始まりだよ」と、あたくしども、御幼少の折りによく言われたもんでございますが、・・久しぶりにやってきた男、よく大げさな嘘をつくのが癖。若い頃の旅の話をする。奥州へ武者修行に行った際、高い山を登っていくと山賊に、銭を出すよう囲まれた。そばにあった岩を小脇に抱えてちぎっては投げちぎっては投げ、とあきれた話。さらに、巨大な猪が襲ってきたので、木に登ったが、上にはからす天狗がいて、にっちもさっちもいかないので、猪に猪乗りになった。猪がつまずいてつんのめった時、急所を握って倒した。村人がやってきて、お礼に十六両を差し出す。猪が十両、妊んでいた六匹の子供が六両に売れたとのこと。雄なのに妊むとはばかばかしい。さらに、村人のもてなしを受ける、庭を見ると紅梅白梅の横に、桜が花盛り、向こうの池には菖蒲が咲いている、その上に藤棚と、向こうの築山にモミジが紅葉していおり、雪が積もって蛍が舞っているなど、まるで季節がむちゃくちゃ。それを質すと「そこは田舎はぞろっぺ」「馬鹿なことを言うな」−−おなじみの弥次朗でございます。
 マクラは嘘について。たわいもない噺だが、この師匠にかかると、各エピソードの密度が濃い。志ん生師5は奇想天外でとんとんと進めるのに、この師匠は細部で笑わせる。充実した噺になっている。さすがです。
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2009年11月30日

チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」第1幕(ゲルギエフ=ロンドンso)

バレエの実演に耐える速めのテンポで、管や打楽器がパワフルかつ野生的な印象を与える。チャイコフスキーに特有のメロディアスで幻想的な曲想に加えてシンフォニックだ。ただ、交響曲と違い、バレエ音楽の全曲演奏なので、場面場面の商品の連続、全曲を通してのまとまりには欠ける。演奏会には組曲がふさわしいと思う。演奏は、このオケにしてはちょっと荒削り、ロシア風のパワーを感じる。弦はしなやかで管はパワフルだ。vnが左右配置、豊富な低音で重量級。突然、暗く重く激しい悲しみが現れ、打ちひしがれる。優美でゴージャスなワルツ、そして、豪華絢爛のクライマックスとなる。情に傾いた演奏になる。基本性能のいいオケだが、荒々しさが目立つ。ロシアのオケに返信したようだ。チャイコフスキーの曲だけに、それがふさわしいともいえるが、総じて、細部にこだわらない豪放な演奏、拙はもっと緻密さを加えてほしかった。大変ダイナミックな演奏でした。(約70分)(BBC)
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2009年11月29日

熱いトタン屋根の猫(米1958)

 台詞がどれほどの力を持つかを見せつけてくれる映画。父親の誕生日に集まった一家のお話。父は大金持ちだが癌。長男は弁護士で父親の遺産が気になる。弟はアルコール依存症で、自分の親友の自殺の原因の一因がが妻にあるとして、以来、冷たい関係にある。それぞれの夫婦が、親子が父の病気のことを、きっかけに秘めてきた感情を爆発させる。相手のことを罵るような壮絶なやりとり。それが親子の夫婦の関係を正常にする。ハッピーエンド。
 とにかく壮絶なやりとり。相手を罵る言葉に緊張感が走る。これぞ戯曲、演技。目が離せない。感情が高揚する。大変なパワーだ。CGを駆使した最近の映画の画面に感心していたが、この映画を前にすると、今の映画の画力は子供だましだと思わざるを得ない。残念ながら。脚本と演技は映画の基本だ。かつての名作を見直す価値を教えてくれる。音楽はチャールズ・ウォルコット、ジャジーな感じだったと思うが、あまりの壮絶なやりとりに、音楽の存在すら記憶にない。縁の下の力持ちだったのだろう。完全に打ちのめされて☆
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ブルー・マウンテンNo.1(シティ)

自家焙煎:豆は大きめ。抽出液はやや薄め。マイルドな苦みと酸味に甘み、渋みが感じられる。
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2009年11月28日

理想の女(スペイン=伊=英=ルクセンブルク=米2004)

 南イタリアのアマルフィ、金持ちが集まる避暑地で、アメリカからやってきた若夫婦の物語。何にもすることがなく、人のうわさ話が婦人たちの楽しみ。そこへ、ニューヨークからから「ふしだらな女」と噂される女性がやってくる。夫が彼女に小切手を切っていることを知って、浮気の疑いを持ちショックに沈み、その反動から自らも浮気をしようとした妻。それを身を張って止めた女性。実は彼女が若妻の母親だった。娘の幸せを思い、真実を明かさず去っていく。悲しく終わると思いきや、この地を発つ飛行機の中で彼女を思う人と結ばれる。ハッピーエンド。
 豪華な調度品とリッチな生活。退廃的な雰囲気が、ほぼ全編を支配する。終盤になって、暖かい人情噺になるが、拙にはゴシップが長すぎた。昼メロの映画化といった感じ。リチャード・G・ミッチェルの音楽はややコミカルなテイストと哀愁が感じられる。原作はオスカー・ワイルドの戯曲なのだ。失礼をしました。長い退屈の後の暖かさ、その後、いい余韻を感じられる映画でした。
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ブラジル・アマレロ(フル・シティ)

豆は標準的。抽出液は濃いめ。苦く甘い。酸味が隠れている。フル・ボディに近いミディアムだが、比較的残らない。香ばしさもある。
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