2009年07月13日

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番(モロット=シカゴso、pルドヴィク・モロー)Web

 1.雅で格調高いオケに続き、チャーミングなピアノが加わる。速めのテンポで進める。オケはリッチ、pはテンペラメントを持ちニュアンス豊か、芯のある音で力強さを有する。展開部では短調で深みとエネルギーを持つ。暖かく優しい風のような雰囲気となり、輝きを放ちながら盛り上がり、比較的クールで技巧的で陰影に富むカデンツァの後、格調高く閉める。2.ゆったりとして、シルクのような艶やかで哀愁を帯びた主題、pも優しく加わる。美しさの中に共存する哀愁が深みを与える。3.格調高い前奏に続いてpが駆け足で輝きを振りまく。力強いカデンツァの後、緊張感を持って終わる。(約27分)
 リッチで格調高い大人の演奏。安定感があり、適度なテンペラメントとアゴーギクでニュアンス豊か。充分に楽しめました。

1.Allegro maestoso
2.Andante in F major
3.Allegro vivace assai
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2009年07月12日

マスター・アンド・コマンダー(米2003)

 ナポレオン時代、イギリスの軍艦サプライズ号がフランスのアケロン号を捕らえる任務に就く。サプライズ号には少年仕官が乗り組んでいた。霧の中、突然、現れたアケロン号に奇襲されたが、霧のおかげで命からがら逃げることができた。船の性能と乗組員の数で圧倒的にアケロン号が優位であることを知る。船を修理し、再びアケロン号を追跡するサプライズ号。ガラパゴス島で食糧の補給、艦長の友人の軍医は島の珍しい同植物の観察を約束されていたが、艦長は任務を優先し、再びアケロン号を追跡、追いつくが、嵐となり、折れたマストにいた船員を、艦の転覆を防ぐため、やむなく犠牲にする。事故で、軍医が負傷する。目の前にアケロン号がいたが、軍医の命を救うために、ガラパゴス島で休息する。軍医は回復し、島を探索する、その時、アケロン号を発見。捕鯨船に偽装し、アケロン号をおびき寄せる。最大限に引きつけたところで奇襲、多くの犠牲を出したが、敵に勝利する。幼い将校たち、犠牲を出しながらも成長。新たな任務に向かう。
 重量級の映像で、当時にタイムスリップできる。ロングショットが多いので、大画面で見てはじめて真価がわかるのではないか。HD画質が必要だ。指揮官の厳しさと人間性の間での悩み、部下の成長が、オープニングとラストの海戦シーンの間に描かれて、戦闘が迫力だけにとどまっていないのがいい。クリストファー・ゴードン、アイヴァ・デイヴィス、 リチャード・トネッティの3人の音楽はクラシックも用いた上品で、かつ、戦闘シーンでは重低音の迫力を持ってなかなかのもの。久々に充実の作品を見ました。☆ 
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コロンビア・スプレモ(シティ)

自家焙煎:豆は標準的で、ややばらつき、焼きむらがある。ややライト・ボディで酸味が勝り、苦みと甘みが続く。しかし、それほど鋭角ではなくマイルド。
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2009年07月11日

エクアドル・ナチュラレッサ(シティ)

豆はやや小さく可愛い感じ。抽出液はやや濃いめで、酸味と苦みのバランスが良い。ミディアム・ボディで、なかなか力強い。甘みも潜んでいる。
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2009年07月10日

ブラック・ダリア(米2006)

元ボクサーの刑事バッキーとリーは警察債発行のためのボクシングの試合で、特捜課でコンビとなる。実生活ではバッキーの恋人ケイとの3人の親しい関係が続く。ケイは、ある事件でバッキー助けられ、それ以来の関係。その事件でムショに送られた犯人の出所が近づく。そんな時、口を耳まで刃物で切り裂かれ、内臓を取り除かれた女の死体が発見される。2人は事件の担当となる。熱くなるリー、レズ映画に出ていた被害者、被害者とよく似た富豪の娘。リーが関係している感じだが、バッキーはリーが命の恩人なので悩む日々。そして、リーが殺害される。バッキーは関係者全てが疑わしい。しかし、富豪の娘が語った言葉と、被害者が出演していたレズ映画に関係を見つける。犯人は富豪一家だった。バッキーはケイの所に向かう。
 何とも薄気味悪い映画。セピア色の画面、残虐な映像と夜のシーンの多用、断片的な事実だけしか示さない。不安で一杯だ。怖い映像が出てくるのではないかとドキドキ。心臓に悪い。見事に、もてあそばれた。マーク・アイシャムの音楽は時代を感じさせるジャジーな曲と、不安をあおるくらい曲。この手の映画には精神的に耐えられなくなってきた。
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2009年07月09日

R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(ゲルギエフ=ロンドンso)Web

 弦楽だけの演奏。重く静かで内省的、高音弦が哀しく涙しそうなメロディ、それを低音弦が受け継ぐ。粘らない比較的淡泊な演奏。テンポを速め感情を高めていく、フーガのように厚みを増す。主題を次々に展開。渦巻く音響で濃厚な官能的な雰囲気。密度濃くグッと感情が高まる。荒々しいまでのエネルギー感を持つ演奏。再び感情が沈み始め哀しい雰囲気。感情を濃厚に強める。暗めの浮遊感を持って静かに閉じる。(約29分)
 ロマン派のこってりした曲だ。起伏が少ないので、いかに聞かせるか。速めのテンポで入り、この指揮者の持つエネルギー感で聞かせようとする。重厚な低音部の上にビブラートを充分に効かせたvnが熱く歌う。この山が数回来るが、その間はちょっと気分がだれた。長さを感じた。拙は耽美的な美しさを併せ持つのが好みだ。ゆったりとねっとりと美しく進めるのが好みなのだ。しかし、このオケの演奏能力は高い。(BBC)
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2009年07月08日

厩火事(古今亭志ん朝3)

え〜、よく縁なんてことを申しますが、ご夫婦の縁が一番深いとされておりますな。え〜、それこそ赤の他人同士が一緒になって、そして、一つ屋根の下で、共白髪まで添い遂げようというんですから、これは大変な縁です−−仲人の兄さんの所へ、お崎がやって来る。亭主の八に愛想もこそも尽き果てたというのだ。お崎夫婦は、お崎が髪結いで稼いで亭主を養っている状態。今日も、朝早く起きて芋を煮ていたら、亭主が起きてきて悪口を言ったので喧嘩になったとのこと。仲人が八のことを悪く言って、別れることを勧めると、お崎、今度は逆に亭主をかばう。仲人はあきれて、「どうしたいのか」と問うと、亭主の了見がわからないから心配なのだとのこと。そこで、馬を大切にしていた唐の孔子が、火事で馬が死んだ時、馬のことは一言も聞かずに使用人の安否を心配した例と、麹町の旦那が骨董の皿を大切にしており、奥方が皿を持って階段から落ちた時、皿のことしか心配しなかったことから、離縁されて一生寂しく一人で暮らした例を挙げて、亭主が大切にしている皿をわざと割ってみて、了見を確かめるよう勧める。さっそく家に帰り、皿を洗うふりをして、わざと転んで皿を割る。亭主はお崎の体を心配する。「ま〜、お前さん、そんなに、あたしの体が大事かよ〜」「あたりめえだよ。お前にけがされてみねえな、明日っから、遊んでて酒が飲めねえや」
 マクラは縁、夫婦について。明るく華やかな雰囲気の口演。テンポ良く自信を持った正統派の語り口。そんな中の大げさなクスグリが素晴らしく効いている。
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2009年07月07日

ファーブル昆虫記 第12分冊

蝉などを夜捕獲するアオヤブキリ、コオロギの生態、蝗虫(バッタ)類の発音器の観察、土から生まれる時の蝗虫類の生態、松の行列虫の生態と気圧感知器、行列を作る本能、松の行列虫など芋虫の持つ毒素の研究。特に毒素は代謝の結果生まれる尿退廃物で、鱗翅類に共通しているが、毒を持つと思われている幼虫は、糞に汚れるような環境で生活し、かつ、毒素が付着しやすい毛を持つものであることを、自ら毒素をエーテルで抽出し、皮膚に塗布して実験して明らかにしている。いつもながら、緻密な観察と努力に感心してしまった。(岩波文庫)
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2009年07月06日

抜け雀(古今亭志ん朝3)

え〜、プログラムなんぞを見ますってえと、このタイトルも、大変に、この凄いですしね、中の文章なんかも、ものすごい事が書いてありますが、「俺のことじゃねえんじゃねえか」なんて思う、さすがは、大阪という感じですな。−−東海道小田原の宿場、日が暮れかかっている時分、年頃二十五、六、みすぼらしいなりをした小太りの男が通りかかる。旅籠、相模屋の亭主が客引きで泊まってくれるよう声をかける。男は「百両も預けておこうか」といって亭主を安心させ止ることになる。朝、昼、晩、日に三升ずつ酒を飲み二回でごろごろして、七日も経とうというのに出て行こうという気配がない。宿の女房が亭主を呼んで、一文無しかもしれないと、酒代に五両ほどもらってきてくれと頼む。亭主は寝ている男を起こし、わけを話すが、なんと一文無し。仕事は絵師だと聞いて亭主は困るが、男は、ついたてに無理やり雀の絵を描いて、宿銭の形だと言って出て行ってしまう。女房は、ふてくされて寝てしまう。次の日、朝早く、亭主が掃除をしようと、雨戸をあけ朝日が差し込むと、ついたての中の雀が抜け出し、えさをついばんだあと、ついたての中に納まった。このことが、評判になり、相模屋は大繁盛、「雀のお宿」という別名がつく。ご城主の大久保加賀守様がご覧になって千両でお買い上げになることになり、夫婦は男の帰りを楽しみに待つ。あるとき、上品なお武家様がやって来て、雀の絵を見たいといってお泊りになる。次の日、絵を見たお侍は、絵に抜かりがあるという。止まり木が描いてないので、雀は疲れて落ちて死ぬという。困った亭主は、止まり木を書いてもらうことにする。雀が抜け出た間に、書かれた鳥かごの中に、雀はぴたりと納まった。この話が評判になり、大久保加賀守様が、二度目にご覧になり、二千両でお買い上げになるとの話。しばらくして戻ってきた、一文無しの男、夫婦は雀の絵をもらうことになり、お武家様の話をすると、男はすぐに絵を見に行く。絵を見た男はついたてをみて、謝っている。聞けば、お武家様は父親で、この雀の一件で、勘当が解けて、国許に帰るところだという。宿屋の亭主「こういうことで恩を返すのはね、一番の親孝行ですよ。ね、あなた、親孝行ですよ」「いや、親不孝だ。ついたてを見ろ。大事な親を駕籠かき(籠描き)にした」
マクラは旅の印象、タクシー、海外でのチップ、昔の旅について。テンポ良く明るく華やかな語り口。本格派の語りと筋書きに、志ん生譲りのデフォルメを適度に効かせて、人情噺と滑稽話好きのいずれも満足させることのできる、充実した口演でした。
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2009年07月05日

リアル・ブロンド(米1997)

ニューヨークに住む売れない俳優のジョーとボブ。ジョーは恋人メアリーと6年も同居しているが、稼ぎが少なくウエイターをしながら写真関係で働くメアリーに養ってもらっているような状況。ボブはブロンドの女性を好みとしており、今度、昼メロのレギュラーを手にする。メアリーは男のいやらしい態度にストレスを感じてカウンセリングを受けている。ボブは競演のブロンド女優と始めた性生活がうまくいかずにスランプ。皆が沈み気味でストレスを感じながら暮らしている。やがて、ジョーは映画に出演が決まり、メアリーとの関係も元に戻る。ボブも結婚が決まり、ブロンドに染めていた相手は本当の自分を愛してもらいたいと、髪色を元に戻す。
ウディ・アレンの路線に近い。センスを楽しむライト・コメディ。ニューヨークの遠景が美しい。在りし日の世界貿易センタービルが仲良く寄り添うように建つ姿は感慨深い。 ジム・ファーマーの音楽もなんとも小粋。シティの感覚、何気ない生活、その中にリアリティ・ライフが潜んでいた。
posted by momiji at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする